嘉 春佳  |  HARUKA YOSHI

テラスアート2022での展示作品。

夕方に辻堂海岸を歩いて海を眺めていたとき、ちょうどサーフィンをしている人の姿があった。夕日の都合で、その姿はとても小さな黒いシルエットとして波の上に浮かんで見えた。ふと、海の視点になってみたら、私たちが過ごす時間はとても短く、人々が過ごしてきたどれだけ長い時間を、海は眺めてきたのだろうと思った。また、海辺には角が取れた貝殻や漂着物が落ちていて、丸みを帯びるまで長い時間をかけて運ばれてきたのだと思った。海を見ると、そこには多層の時間や記憶が眠っているのだと感じる。SNSを通じて古着とそれにまつわるエピソードを募集し、その話から着想を得た形を古着に与え、辻堂に流れ着いた漂着物をイメージした展示を行った。